A-Q更新PLCで失敗した件

バグとの闘い

三菱電機製シーケンサ AシリーズをQシリーズに更新をして失敗した件です。

いままでの経緯

大型のAシリーズ更新はハード構成も大きく変更となりますが、小型Aシリーズは、共通で使えるコネクタも流用でき、ちょっとした配線変更とプログラム変更で対応できるので内製で何度かやっていたので、実績もありました。

小型AシリーズでIO(入出力)しか使っていない場合、更新は簡単です。

でも紹介していますが、ソフトの流用も可能です。

アナログユニット、シリアルユニットの対応も三菱電機でマニュアル番号l08208*[AnS-Qシリーズ置き換え インテリジェントユニット編]を参考にして、何回かやっていました。

今回の経緯

AnS小型PLCのリニューアルも進んで、予備として取り外しした機器もたくさんありましたが、予備部品と中古品の管理が大変になってきました。また、Aシリーズが頑強でも電源ユニット等の故障も発生するようになり、欠品する部品もでてきました。

そこで、のこり数台の更新の取り進めしようとなり、着手します。

事前確認

事前にAシリーズのプログラムとデバイスデータをバックアップ、Q用に変換。QシリーズPLCは、代替え後継機種が一部なかったので代用する。

ユニットを組みつけてIO割り付けを実施。インテリユニットは、AD・DAユニットの使用状況にあわせてプログラムを修正。基本的には、Aの設定を見て判断して、インテリのパラメータに反映し、自動リフレシュ設定をする。

簡単に確認できる部分よりも外部からの信号入力をうけ、演算して出力する部分が多いので、実機でないと確認できないことのほうがおおい。

この時点であぶない案件となる

配線作業

事前に配線を確認したが、保管されている電気図面と一部差異があり、また、入出力も追加されていたが、記載はなかった。よくあることですね。

配線作業は誤配線がないように、1ユニット毎にQシリーズユニットに配線していきます。

8ユニットで取り付けも含めて3時間で作業完了。

※端子サイズが違うので端子のサイドをニッパーでカットして作業したが、Y端子はすべて端子を上げなおししました。

失敗1 CC-LINK設定が・・

CC-LINKを使っているが、AD/DAユニットを使っている。インテリユニットをローカル局で使っている。Aシリーズの場合は、プログラムで記述しているが、QシリーズなのでCC-LINKのパラメータで設定した。IOの間違いや初期設定の重複でうまく起動できん・・

素直にマニュアルを参照して一から設定しなおしてAD/DAのデータがはいってくるようになった。

失敗2 AD入力配線ミス

CC-LINKが通信できたので、手動での運転をする。動かない・・調べると指令がでていない・・サーボの始動速度をアナログで出力しているが出力していない・・プログラムをみると外部制御アンプからの入力がないとだめなようだ。

よくみるとここだけ電流入力だ!短絡V+とI+にするべきところを間違っていた。

うーん!まだおかしい。出力がでないアナログユニット・・マニュアル読んだ(ここでか・・というよりは電気図面書いておこう!)DC24Vが必要だった。急遽追加しました。

これで手動操作の確認はできた

失敗3 試運転時間とってない!さあ、動かしてみようかと始めたが、いつもはスマートにデバッグするので、試運転もそこそこに準備運転にはいる

おや、動作しないぞ。指令入力もおかしい。

設定指示値をアナログ入力しているが、数値ははいってくるのに変換した値がおかしい。

リモートで自動運転にならない・・

強制運転し、現在指示値をあわせるが、今度は、エンコーダーの信号数値が入ってこない。

次の生産になると前回の係数では計算値があわない

判断処理

品種切り替えは、最低でも20分しないと発生しない実生産になると途中の調整はできない・・この状態だと夜中になってしまう。プログラム修正してもやっつけになる。それは今後バグとなって表れる。

この悪夢のような繰り返しを設計会社当時は何度経験したことか・・今は、元にもどすべきと判断する

まとめ

復旧できる状態だったのでよかったが、必ずしも復旧できるわけではない。過信せずにデバッグ環境を整えて確認してから実施すべきでした。

ちなみに、

カウンタ部分の動作検証だけでもマルっと1日かかった。

次回に備えて、配線も流用できる仕組みをつくって対応しよう。

タイトルとURLをコピーしました