ゼロから始める PLCによるネットワーク構築方法について1

IOTとDX推進

FAネットワークの現状

はじめに

最近の生産設備では、生産の指示や実績データの収集とともに、製品の品質・検査データ・設備の稼働データも収集するとこが多いです。そのためには、各設備を制御している制御装置間にネットワークも設ける必要があります。

 ネットワークは小規模な設備は、IO配線の省配線化からはじまりました。たくさんの配線をするより、ネットワーク化することで省配線だけでなく、多くの情報を収集することがきます。インバータやサーボ等の駆動制御では、ネットワーク経由で設定情報モニタ等の制御が可能となります。

  複数の装置のネットワークでは中規模の通信情報が必要となります。小規模に比べると各スレーブ(子局)が装置PLCとなり、情報量が多くなると同時に装置間でのIF(インターフェース)の仕様を取り決める必要がでてきます。

 上位(OA系ネットワーク)との通信はCIM(Computer Interface Message)を利用することで情報ネットワークと連携することになります。情報系ネットワークへの接続は、中規模ネットワークにPCを設置し、PCが中継役を担っていましたが、最近ではPLCが直接データベースやサーバーとの通信ができるようになってきています。

 最新の技術では、イーサネットケーブルだけで接続できるネットワーク通信が増えてきています。ネットワークの管理範囲もFA階層の定義外の共有も可能となりつつあり、また、マルチベンダ化が進んでいます。それに伴い、FA技術者もネットワークに関する技術レベルの向上が必須となりつつあります。

FAネットワークについて

FA(Factory Automation)の現場において省配線・インテリジェント化等を目的とした種々のネットワーク方式が普及しています。FA用ネットワークについては、各メーカー独自のものが多かったのです。最近では、データ容量の増大、高速通信処理、マルチベンダ化、パソコン、PLC、センサ等共通化が進んできています。

これらを含むシステムはネットワーク技術の進歩とともに進化し、新しい通信規格も作り出されています。今後はさらに高速化、容量拡大、オープン化が進んでいくと思われます。

FAネットワーク階層について

情報系ネットワーク(工場管理レベル)、コントローラーレベル(装置レベル)、フィールドネットワークレベル(コンポーネントレベル)の階層に大きくわかれます。

情報系ネットワーク

事務所または構内のPC (パソコン)を結ぶEthernet通信や工場間のネットワークを指します。上位サーバーを中心として構成される場合が多いです。

ERPなどが基幹システムの総称としてあげられます。

コントローラネットワーク

主にPLC間の通信のためのネットワークで、PLC間で同期を取ったり、ライン間の生産制御などに使用されています。

三菱でいうとCC-LINK IEまたはNET/Hがコントローラーネットワークに該当します。異種間の場合は、FL-NET等が該当します。

フィールドネットワーク

ライン内の装置制御を行うためのネットワークで、PLCと種々のフィールド機器間での通信を行います。CC-LINKやDeviceNETがそれにあたります。

センサレベルネットワーク

センサネットワークとは、多数のセンサを通信ユニットやコントローラといった機器を用いて接続したネットワークを指します。単体のセンサによる独立した検査に比べ、多数多様なセンサが検出したデータを収集することで、より広範囲であったり、多点における種類の異なるデータを一括収集・集積することができます。また、生産状況や経過を可視化する際に欠かすことのできない、基礎的なネットワークといえます。

センサレベルネットワークは各社、規格も様々で多種多様な運用もあり階層をまたいで制御されることもあります。

IO-LINKやAnywireなどがあります。

つづきます

FAネットワーク構成について次回説明します。

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