MOV命令は、PLCプログラムを作成する上で、初級と中級者での境になる命令語かと思います。使っていく上で、BMOV、FMOV、DMOV、EMOVと応用も必要となってきます。
MOV命令とは
機能説明
デバイスについて
デバイスとは装置や機械を言いますが、ここでは該当するPLCの割付箇所と考えています。
PLCの割付とはビット、ワードで表現されます。ON・OFFの1ビットは、XYの入出力またはM等のデバイスを言います。これが16ビット(16個連続)まとまったものをワードデバイスといいます。
参考URL:過去の記事 PLCのデバイス
MOV命令の使い方
MOV命令(転送機能)を使ってみます。D0のデバイスをD2へ転送します。M0のテストを強制ONするとD0の値がD2に転送されます。
このようにデータ転送ができます。
データMOVしてなにをするのか
例 入力データの転送処理
アナログユニットのような外部信号の取り込みでは、4-20mAや0-5Vの電流、電圧信号を取り込み、これを0-4000に数値変換してPLCの特定デバイスに書き込みます。
4-20mAで0℃=4mA 100℃=20mAの場合、0で0℃ 4000で100℃となるので、数値計算をPLCでするにはデータを転送演算する必要がでてきます。(そのまま演算してもいいのですが・・)
MOV命令応用機能
DMOV命令
2ワード転送の場合に使います。
EMOV命令
実数を転送する場合に使います
文字列転送$MOV
文字列を転送する場合に使います
ビット集合のワード転送
K4Y0と表記するとY出力の16ビット(1ワード)出力としてデータ転送できます。
BCDでセグメント表示する場合などはBCD命令をつかって出力転送するのによく使います。
BMOV命令について
機能
例 指定範囲を複数転送しますD1000(転送数)をK10(10個)とします
FMOV命令
について
機能
例 1ワードのデータを複数に転送する場合に使います。
このように機能が複雑になってくると制限事項もふえてくるので、PLC演算エラーで停止・・等、意図しないトラブルに注意しましょう。
まとめ
デバイス転送、演算処理ができると数値演算処理、文字列の処理もできるようになり、PLCでできることの幅が大きく変わります。ビット扱いのラダープログラムは電気図面の展開でしかありませんが、デバイス命令使いこなすとデータ演算装置という高機能な扱いができるようになります。ぜひ、練習して扱えるようになりましょう。
命令語マニュアル参照の手順
GX WORKS2の場合、マニュアルを開かなくても、ヘルプ→マニュアル参照で簡単に詳細参照可能です。
注意事項
注1)転送命令で扱うデバイスは、ワード扱いのデータですが、整数扱いとなります。整数をデバイスに転送する場合、整数100→K100となります。
実数の場合は、実数1.11→E1.11となります。
文字列の場合、ABCであれば“ABC”と””で区切ります。
注2)三菱PLCで文字列を扱う場合上下バイトが逆になるので注意が必要です。
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