電気設計に新人が入社することになりました。
M部長「4月から**大学**学部情報**科卒の新人がくるので、教育をお願いします」
といことでしたが、電気科でない新人って使えるのかと思ったので
「新人は、自己保持回路って知ってますかね?」と聞くと
M部長「それぐらい大丈夫でしょ」
部長面談が終わると清々しい顔して
M部長「**さん。ご期待通りに自己保持回路はわからないそうです。教えてあげてね」
ま・じ・か
1,2年ただ飯食らうんだなと・・・。うんうん。その分、教えてあげないといけないのね。
ということで、まずは自己保持回路を理解しましょう!って
自己保持回路ってどんな部分で使うの?
FA制御設計では、ものを動かす、停止させる動作が基本となります。
運転スイッチを押して、モーターが運転。作業が終わったら、停止スイッチを押して停止。という感じです。
電気図面で書くとこんな感じとなります。
運転スイッチを押すとRY1(リレー)がオンします。
そうするとRY1の接点もオンするので、運転スイッチがオフになっても継続して
RY1がオンの状態となります。これを、RY1の状態をRY1の接点で保持する・・自分で自分を保持するので自己保持回路と呼びます。
また、この形が基本形となるのでよく理解しましょう。
自己保持回路でモータ運転する場合の回路
図のように、3相モーター等を動かす場合、自己保持させたリレー(この場合RY1はMC電磁開閉器)を使います。
操作回路側は、直流、交流可能で、小電力で動作が可能となります。
プログラムツールでの記述する場合
プログラミングソフトで記述すると図のようになります。
ラダーソフトと呼ばれる記述方式でも自己保持回路は基本形としてよく使われます。
ここ重要!
昔は、ハード回路で自己保持回路、制御構成を組んでいましたが、ハードで組むと複雑な制御する場合、運転しながらの調整、後からの修正が大変です。
そのため、PLC(シーケンサー)が開発されました。PLCの優れているのは、運転しながら修正、調整できることです。
制御構成を検討する場合、PLCを使用できるならそのほうが全然楽に設計できます。図のようになります。
あまり配線工数が減らないように思えますが、
例をあげると、停止を押してから、数秒あとに遅れてモーターを止めたい場合、ハード構成ではタイマーを付けたり改造が大変です。
ソフトで行う場合は、ハード構成に変更はありません。
※注)先の電気図面構成だとX1の接点論理が逆になるのでプログラムを修正してあります。
おわりに
内部回路リレーも使えるので多種多様な機能追加も可能になります。
電気制御には、必須なのでよく理解してください。
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